慶応附属生にお通いの方で、苦労されていることに「内部進学」があると思います。私立中高にお通いの方でも特に慶応附属中高は内部進学の基準が高いです。
そして、試験結果や内申点が悪くても、学校側のフォローがない場合が多いようです。
このように慶応附属の中高にお通いのお子さんをお持ちで、
「内心点が悪い」
「テストの点数が取れない」
「どういった勉強法が良いのか分からない」
というお悩みの保護者の方。
お子さんのお悩みに役立つことや慶応附属性のお子さんを持つ保護者の方のための情報もありますので、ぜひ参考になさってください。
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私立の内部進学事情
まず、最初に慶應附属以外の私立校も含めて、内部進学事情についてお話します。
私立上位校の内部進学率
私立上位校と呼ばれている学校の内部進学率は一体どうなっているのでしょうか。
ここでは、高校からの偏差値で65以上の学校を私立上位校として、その一部をご紹介します。
学校名 | 偏差値 | 内部進学率 |
---|---|---|
早稲田実業学校 | 72~78 | 97.4% |
早稲田大学高等学院 | 72~78 | 42% |
明治大学付属明治高校 | 71~77 | 91% |
青山学院高等部 | 69~75 | 80.8% |
中央大学高校 | 69~75 | 88.7% |
立教池袋高校 | 69~75 | 93.4% |
学習院高等科 | 68~74 | 46.5% |
早稲田大学本庄高等学院 | 68~74 | 98.5% |
成蹊高校 | 67~73 | 29.9% |
中央大学附属高校 | 67~73 | 84% |
明治大学付属中野八王子高校 | 67~73 | 76% |
明治大学付属中野高校 | 67~73 | 72.8% |
以上のような内部進学率となっています。
しかし、内部進学できる順位に現在いたとしても、気にしなければならない点があります。
進学したい「大学の学部」の人気です。つまり、内部進学できる順位にいたとしても希望の学部に入れるとは限りません。
例えば早稲田大学であれば、政治経済学部や法学部などの人気かつ倍率の高い学部はいくら内部進学率が高いからと言っても、簡単には進学できません。
しかし、学部を選びさえしなければ、例えば早稲田本庄高等学院などは内部進学が可能になります。
慶応附属生の内部進学の実情
慶応附属高校の学校公式ホームページなどで発表されている内部進学率は以下の通りです。
学校名 | 偏差値 | 内部進学率 |
---|---|---|
慶應義塾女子高校 | 73~79 | 94% |
慶應義塾高校 | 70~76 | 97.2% |
慶應志木高校 | 69~75 | 100% |
慶應湘南藤沢 | 66~72 | 99.2% |
慶應の附属では、ほとんどの生徒が内部進学ができるように見えます。
しかし、この内部進学率は高校3年生の卒業生においての内部進学率となっており、高校1年生や高校2年生の段階で成績が悪いと進学できないと言われてしまった場合の人数は加味されていません。
そのため、内部進学できるぎりぎりの順位ではなく、少し余裕を持った順位をキープする必要があります。
慶応附属の内部進学のボーダー
また、慶応附属と一口に言っても、内部進学の基準は各学校で異なります。
それぞれ高校別に見てみましょう。
慶應義塾女子高校
慶応義塾女子高校から、慶応大学への進学を志望している生徒の進学率はほとんど100%です。しかし、詳しいことは学校から発表されていないものの、進級できない条件があります。
<学業成績>
- 平均学年成績が一定基準に達しない
- 教科・科目にD評価がある
<出席状況>
- 正当な理由なしで全体として遅刻・欠席・早退が多い
- 正当な理由があっても、出席すべき総時間の3分の1以上を欠席している
慶應高校
慶應高校から、推薦で慶應大学行きたい場合は、評定平均6.0以上を取っておくことが必要となります。学部の希望は出せますが、最終的には評定の順位でどの学部の推薦がもらえるかが決まります。
希望の学部へ進学するためには、定期テストでしっかり点数を取っていかなくてはなりません。3年間を通して、常に一定以上の成績を保てるよう学習を進めましょう。
慶應志木高校
慶應志木の進級基準は、「学業成績」と「出席状況」で決まります。
以下の場合に1つでもあてはまると、進級できません。
<学業成績>
- 学年末の全科目の総合評点が6×科目数より少ない
- 学年末の評価が、評価3を1、評価4を0.5と計算し、合わせて2.5を超える
<出席状況>
- 正当な理由なしで全体として遅刻・欠席・早退が多い
- 正当な理由があっても、出席すべき総時間の3分の1以上を欠席している
また、医学部や法学部などの人気の高い学部へ推薦入学したい場合は、高1のうちから上位の成績をとることが重要です。
特に医学部の場合、学年順位が10位以内でないと合格することができないと言われています。
慶應湘南藤沢
慶應義塾大学へ進学する際、希望の学部へ進学できるかどうかは、高1~3の成績、実力テストの結果、部活動の成績等に対する評価で決まります。
授業をしっかり復習し、毎回のテストで確実に得点していくことが大切です。
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どうやってサポートしたら良いの?
では、お子さんが慶応の内部進学にお困りの場合、どのようにサポートしたら良いのでしょうか。学力的なサポートと精神的なサポートの2つの側面からその方法をお教えします。
学力的なサポート
まず、学力的なサポートですが、保護者の方が慶応附属生だからといったことは関係なく、基本的には「定期テストの勉強のサポート」「宿題などの提出物のサポート」が大切になります。
定期テストの勉強のサポート
定期テストの勉強のサポートとして、英数国理社の5科目の評定が基準に達していることがまず第一の関門でしょう。
<英語>
例えば慶応普通部であれば、英語の定期テストは問題の7~8割が授業で扱った長文プリントや『keyワーク』の文法から出題されます。その他、2~3割が初見の問題です。
問題形式としては、記述式の問題が多く出題されます。イディオムを書かせる問題、英作文の問題は多く出題されるようです。
また、長文読解問題では英語での質問に英語で答える問題が出題されます。難易度が高いため、授業内容はしっかり押さえた上で応用問題で実力をつけさせることが大切です。さらにリスニングが出題されることもあるので、対策をしておきましょう。
テスト直前になってからまとめてやると量が多く、こなしきれなくなってしまうので、お子さんには普段からコツコツと日々の学習を積み重ねさせることが大切です。
<数学>
例えば慶応中等部であれば、数学Ⅰは教科書と問題集を中心に、数学Ⅱはプリント中心に出題されます。
計算問題等は応用も出題されます。問題数が多いので、類題を解くなどして演習を重ねさせましょう。
問題では、途中式が求められる場合も多いです。ほかに図形を自分で書く問題も出題されますので、問題を解く演習だけでなく、図形を書かせるなど幅広い練習をしましょう。
<国語>
慶応中等部の場合、国語Ⅰの定期テストでは、授業で習った文章と一緒に漢字問題が出題されます。漢字は毎回多くの配点を占めている大切な得点源です。習った漢字は何度も練習し、とめ・はねなどの細かいところまで気をつけさせましょう。
国語Ⅱの定期テストでは、問題文はそれほど多くありませんが記述が多く出題されています。
また、問題にもよりますが、記述がかなり広いスペースで出題されていることもあります。お子さんの意見を文章でしっかり書けるように、普段から文章を書く練習をさせましょう。
<理科>
慶応中等部の場合、理科の定期テストの計算問題では必ず途中式が求められます。
また、先生にもよりますが、慶應中等部の社会はかなり多くの記述問題が出題されます。
そのため、理科も社会も名称や年号の暗記も必要ですが、原理原則から理解していることが大切になります。
また、ほかにも関係図を書く問題や表が問題に出たりします。そのため、記述で答えたり自分で図をかいたりなど、さまざまな練習をさせる必要があります。
<社会>
慶應高校の社会総合のテストでは、歴史や政治についての問題が出題されました。
ただオーソドックスな問題よりも、時事問題をからめた現代社会に関わる問題が多く出題されています。
お子さんに日ごろから関心を持ってもらうためにも、家族でニュースを一緒に見てみてはいかがでしょうか。
宿題などの提出物のサポート
宿題やノートなど提出物は、評定においてとても大切なことです。
特に宿題は毎週のように提出をさせるクラスもあります。
そのような場合は、まず学習習慣を身に着けさせることが必要です。では学習習慣を身に着けさせるためには、どのようなことをすれば良いでしょう。
その方法は2つあります。
<真似をする>
子どもは、家庭では親や兄弟、学校では先生や友だちの学習の仕方を見てそのやり方をマネすることがあると言われています。特に子どもが相手を尊敬しているとき、その人を真似したいと思うようになります。
<毎日同じ時間に、同じ場所で勉強する>
「毎日同じ時間に、同じ場所で勉強する」ことにより規則正しく勉強する習慣がつき、予定の時刻がくると自然に机に向かうケースもあります。
この場合には、時間を規則正しくすること、繰り返すこと、毎日机に向かっている際には褒めることが大切です。
精神的なサポート
次に学力のサポートよりも、難しいのが精神的なサポートです。
反抗期について
特にお子さんが中学、高校生だと、ちょうど思春期で反抗期真っ最中ということもあるかもしれません。
保護者の方がどんなに学力や進学についてサポートしようと思っても、なかなか言うことを聞いてくれないかもしれません。
お子さんが反抗期の場合は、保護者の方がムキになって勉強をさせたり宿題をやらせたりすると、かえってお子さんの対立を深めてしまいます。
反抗期は、お子さんの成長において必要なことです。
しかし、反抗してくるお子さんの様子にすぐカッとなってしまい、「成績をどうにかしろ」や「内部進学できなかったらどうするんだ」などと、お子さんを追い込んでしまいがちです。
そのような場合は、塾や家庭教師など第三者の手を借りてお子さんの学習の向上をサポートしてあげましょう。
やる気について
お子さんのやる気については、とにかく多くの保護者の方が悩まれることでしょう。
お子さんのやる気を引き出すためには、勉強し終わった後のゴールを明確にすることが大切です。
勉強のやる気が出ないひとつの理由として、「勉強の終わりが見えないから」ということが挙げられます。
ですので、そのためには終わりを見えるようにしてみましょう。
例えば「終わった後には英単語が10個覚えられている」「終わった後にはお菓子が食べられる!」と考えるようにすることです。勉強するとお子さんはにどういったメリットがあるかを具体的にお子さん自身で思い浮かべさせてください。
そうすれば、終わりが見えないからやる気が出ない!ということはなくなります。そして終わった後の至福の時間に向けて、よいスタートがきれるでしょう。
このテクニックを使用する際は、具体的な終わった後のイメージをすることが大切です。
ただ「数学の公式が身についている!」だけではだめで、たとえば「〇〇の定理と〇〇の定理が完璧に使いこなせている状態になっている」といった、具体的なイメージをさせてみてください。
ポモドーロテクニック
次に、ボモドーロテクニックというやり方をご紹介します。
このテクニックは、25分間ひとつの物事に集中して5分休憩…というのを4セット繰り返し、4セット目(2時間後)に、30分間の長めの休憩をとるというテクニックです。
このテクニックはあらかじめ「25分間だけやればいい」と目標を設定できるところにあります。漠然と長時間やるとなると勉強にもやる気がでません。
「〇分間〇〇をやる!」というように、とりあえずは達成できそうな目標を設定してから勉強にとりかかるようにすることで、やる気もアップしてくることでしょう。
やる気が出ないときは、「まずは5分だけやってみよう!」とお子さんに話してみてください。
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慶應だけじゃない!私立生の塾選びは難しい
私立生のカリキュラムは、非常に特殊です。そのため、塾選びもなかなか難しいと言われています。
特に慶応生専門の塾というのは、非常に限られています。塾が遠い場合、帰りが夜遅くなってしまうといった物理的に辛い面もあります。
私立附属生の塾選びって?
まず、私立附属生が塾を選ぶ際に大きな関門があります。自分の学校のレベルに合わせた授業をしてくれるかどうかです。というよりも、集団塾では私立校それぞれに合わせることはとても難しいです。そのため、私立附属生の場合、集団塾は選べないケースが多いのです。
慶應のカリキュラムをご存じですか?
保護者の方の中には、慶應のカリキュラムを熟知していらっしゃる方も多いでしょう。
しかし熟知していたとしても、定期テスト試験対策を…ということはなかなか難しいのではないでしょうか。そうすると、どうしても学校の授業や定期テスト対策として学習塾などを検討される方も多いと思います。ですが、塾以外にも選択肢はあるのです。
塾以外の選択肢もある
「お子さんの成績が落ちてしまった」
「定期テストで点数が取れない」
「学校から次の進学が危ないと言われている」
「慶應独自のカリキュラムで手も足も出せない」
このようなお悩みをお持ちの場合、まず最初に塾に行かせることを考えるのではないでしょうか。特に中学受験の際に大手塾に通い結果を出した方は、塾に行かせようと思うかもしれません。
しかし、「慶應 専門塾」を調べる以外にも選択肢はあります。その1つが「家庭教師」です。
慶応生のための専門塾 | 家庭教師 |
---|---|
慶応生の生徒が多く、情報収集ができる | 周りの環境にまどわされることなく、勉強できる |
お子さんに合った学習法ではない可能性もある | お子さんに合わせた学習ができる |
自分の主観を押し付けない
よくあるケースとして、保護者の方の考え方を押し付けたり自分の勉強の仕方などを引き合いに出してお子さんを叱ってしまったりすることがあります。
保護者の方から見てお子さんの勉強方法の効率が悪い場合はつい口を出してしまいがちですが、お子さんなりのやり方や考え方があります。
もしアドバイスの内容が合っていないと、お子さんの成績ばかりかやる気まで削いでしまうかもしれません。
高学歴な親は子育てに失敗する?
高学歴な親に育てられた子どもは知識のある保護者にいろいろなことを教わるため、一般的には親が高学歴な場合は子どもの学歴も高くなると言われています。
しかし、「子育て」においては少し様子が違うようです。
意外と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、高学歴な親は子育てに失敗しやすいというような意見もあります。
よくあるケースで、「親の頭が良いのだから自分の子どもの頭が悪いわけない」というように思っていらっしゃる方がいます。
しかし、親の能力が子どもにすべて遺伝するわけではありません。
自分と同じようにできないお子さんを見て、そもそも同じ能力ではないことをなかなか飲み込めない保護者の方もいるようです。
そうすると、成績が上がらないと塾をすぐに変えたり、学校が悪いと先生に苦情を言いに行ったりしてしまうようになります。
さらに、周囲を攻撃する保護者の方を見たお子さんは「自分ではなく、指導者側が悪い」と考えるようになり、ほかの人に責任をなすり付けるようになってしまいます。
そうなると、お子さんの成績を上げたくて保護者の方は行動したにも関わらず、学力が上がらない。
そればかりか、お子さんの性格まで、悪いほうに変わりかねません。
子どものための教育を
「お子さんを慶応大学へ内部進学させたい」と、ほとんどの方が思っていらっしゃると思います。
そして、冒頭で述べたように、内部進学率の数値には表れていない、進学できないお子さんもいらっしゃいます。
みなさんの場合、慶應に通っていらっしゃるので、その実情はご存知のとおりだと思います。
そのため、子どもに強く当たってしまったり、勉強以外のことにもとやかく口を出してしまったりすることもあると思います。
しかし、それが本当にお子さんにとって良いやり方でしょうか。
保護者の方が「慶応大学に通わせてあげたい」「優秀な子になってほしい」と願うのは、お子さんを愛しているからだと思います。しかし、あまりに期待をしすぎると、重圧を感じてしまうお子さんも多いようです。
また、勉強ばかりやりすぎて、大学を卒業してから社会に順応できないというケースもあります。
お子さんのために何をするべきか、何を言うべきか、悩まれることも多いと思いますが、お子さんを見守ってあげてください。
そして何が適切な判断か、保護者の方が冷静に見極めることが大切です。
基本的に見守ってあげて、お子さんにとって必要なときだけ、手を貸してあげましょう。
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